最後の特攻隊 (1970)

特攻機を途中で撃墜させることなく、戦場まで送り届ける護衛部隊、直掩隊をテーマに、東映オールスターキャストで描く戦争ドラマ。脚本は直居欽哉、監督は佐藤純彌。撮影は飯村雅彦がそれぞれ担当。

監督:佐藤 純彌
出演:鶴田浩二、内田朝雄、見明凡太朗、大木実、千葉真一、小池朝雄、高倉健、菅原文太、富司純子、渡瀬恒彦、渡辺篤史、若山富三郎

最後の特攻隊 (1970)のストーリー

「戦いに勝ち目はない。然し、戦わねばならない。せめて可能な限りの打撃を与えて敵の戦意を挫き、戦争終結のきっかけを作らなければならない」第一航空艦隊司令長官、杉浦中将(内田朝雄)は第二十六航空戦隊司令官、矢代少将( 見明凡太朗 )に向ってこういった。その時、日本軍はすでに、マリアナ沖海戦惨敗とサイパン島の玉砕によって、西太平洋の制海権を完全に失っていた。そしてまた米第七艦隊は全力をあげて、ルソン島レイテ湾に殺到していた。海軍大尉宗方( 鶴田浩二 )が、辺見中佐(小池朝雄)より第一次特別攻撃隊搭乗員の人選を命じられたのは、南方海戦の飛行基地においてであった。宗方は即座に志願し、他の志願兵を募った。隊員のほとんどが特攻隊を志願した。その朝、特攻機は次々に発進していった。その中の一機には、矢代少将が乗っていた。少将は、自らの命を投げうつことによって、戦局を収拾したいと思ったからであった。しかし編隊は、敵機動部隊の上空に達することなく、数倍のグラマン機に遭遇し、次々と撃墜された。宗方は負傷し、ただ一機基地に帰還した。戦局は日ましに敗戦の一途をたどり、硫黄島は玉砕した。昭和二十年三月十九日、沖縄に米軍の上陸が開始された。神風特別攻撃隊の成功率は十三%にすぎず、六十七%は敵戦闘機によって撃墜されていた。この確率を上げるために、特攻隊を護衛するための直掩隊を編成することに決め、宗方を指揮官に命じた。宗方が九州鹿屋に赴任して数日後、矢代中尉(高倉健)も特別攻撃隊菊水隊指揮官として着任した。特攻機二十四機、直掩機十二機。これが鹿屋基地に残った最後の可動全機であった。八時三十分、全機は発進した。奄美大島上でグラマンと遭遇してから程なく、洋上に浮ぶ敵機動隊を発見した機は、次々に突っこんでいった。八月十五日、日本は破れ、戦争は終った。その夕方、沈みゆく太陽を追うように、宗方の乗った零戦一機が飛び立っていった。そしてやがて雲の中に消えた。

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