ごろつき (1968)

石松愛弘がシナリオを執筆し、マキノ雅弘が監督したアクションもの。撮影は飯村雅彦が担当した。

監督: マキノ雅弘
出演:高倉健、菅原文太、大木実、吉村実子、石山健二郎、渡辺文雄、金子信雄、清川虹子

ごろつき (1968)のストーリー

押し寄せる不況の波には勝てず大場勇の勤める北九州の炭鉱は廃鉱になった。母と弟妹四人を抱える勇(高倉健)は、ボクサーで活路をひらこうと友人一郎(菅原文太)を誘って故郷を離れた。上京した勇は、早速沢田ボクシング・ジムを訪れ、練習生の村井を倒し、見事に入団を決めた。ところが花形選手を持たぬジムは、見すぼらしく、会長の沢田(大木実)は、タイから伝わったキック・ボクシングに命を賭けていた。一方一郎は、大金持ちの未亡人に犬係として雇われ、あてがわれた粗末な小屋で勇との共同生活が始まった。二人は生活費をきりつめ、故郷へ仕送りを続けていたが、犬の食事を盗み食いしていることが発覚し、解雇されてしまった。そんな彼を励ますのは、沢田会長の妹友子(吉村実子)だった。友子を送った勇は、その帰途愚連隊にからまれていた流しの三吉(潮健児)と長吉(水城一狼)を助けた。これがきっかけとなって勇と一郎は、大空楽団のメンバーとなり、盛り場を流して歩いた。歌の修業とボクシングの猛練習に明け暮れる勇に、チャンスが訪れた。沢田の口ききで、日本チャンピオンの練習台になった勇は、猛烈なパンチを浴びせてKOしてしまった。それからは連戦連勝、やがてノンタイトル戦が、決定するまでになった。そんな折り、大空楽団を仕切る浅川が、暴力団の唐沢親分に脅迫された。浅川はかつて関東桜田一家の親分だったが、テキ屋の時代は去ったと考え、由緒ある看板を下して久しかった。唐沢はその看板が欲しかったのだ。ある日勇は、唐沢の運転する乗用車が、新聞配達の少年をはねて重傷を負わせながら平然と逃げ去ったのを目撃した。これに怒った勇は、唐沢商事で暴力をふるってしまった。唐沢は浅川に慰謝料か、看板譲渡かの二者択一を迫った。浅川は大空楽団の家と土地を売ることにした。やがて少年の容体は悪化し、徹夜の看病をした勇は、疲れた身体でリングに上った。そして、苦闘の末チャンピオンを倒したが、勇を待っていたのは既に冷たくなった少年だった。悲嘆に暮れる勇にさらに悲報が伝わった。楽団の家が唐沢に焼かれ、浅川が殺され、唐沢を襲った一郎も逆に刺殺されたというものだった。子分に自首させて平然とする唐沢に、男は復讐の炎を燃えあがらせた。もはや友子の涙も、沢田の諌めも、勇の心には届かなかった。やがて、唐沢の前に姿を現わした勇は、唐沢を刺し倒して、恩人や親友の怨念を晴らしたのだった。

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