緋牡丹博徒 (1968)

鈴木則文がシナリオを執筆し、山下耕作が監督した“緋牡丹”シリーズ第一作目。撮影は古谷伸。

監督: 山下耕作
出演:富司純子、若山富三郎、山本麟一、待田京介、金子信雄、大木実、高倉健

緋牡丹博徒 (1968)のストーリー

九州の博徒、矢野組の組長、矢野は一人娘の竜子(富司純子)をどこに出しても恥ずかしくない、まっとうな娘にと手塩にかけて育てた。その甲斐もあり、竜子は堅気の男との縁談がまとまっていた。しかし、矢野が闇討ちに会って死ぬと、結婚も破談になった。竜子は一家を解散し、父の亡骸のそばに落ちていた財布を手掛かりに、犯人を探す旅に出る。竜子が全国津々浦々の賭場を流れ歩くうち、いつしか五年の歳月が過ぎていた。明治十八年の晩春、すでに“緋牡丹のお竜”の異名をとっていた竜子は、岩国のある賭場で胴師のイカサマを見破る。いざこざに巻き込まれた竜子は旅の博徒、片桐(高倉健)に助けられた。片桐の人柄に惹かれた竜子は一部始終を打ち明けるが、何故か片桐は無言だった。やがて片桐は立ち去るが、その時には証拠の財布は消えていた。一方、竜子の唯一の子分で矢野殺しの犯人の顔を覚えているフグ新(山本麟一)が道後でいざこざを起し、岩津(金子信雄)一家と熊虎(若山富三郎)一家の喧嘩騒ぎにまで発展した。それを知った竜子は早速道後に向う。単身乗り込んだ竜子の気っぷの良さに、大阪堂万一家の女親分、おたかが仲裁に入り、喧嘩は治まる。竜子とフグ新はおたかの勧めで大阪に出て、不死身の富士松(待田京介)の元に身を寄せる。大阪は千成一家二代目の加倉井(大木実)の勢力下にあった。富士松と約束を交わした芸妓の見受けを巡って、竜子と対した加倉井は、卑劣な手段で彼女を手寵めにしようとするが、そこに片桐が現れる。片桐は加倉井の兄貴分で、竜子の父を殺した犯人は、加倉井だった。だが、片桐は博徒の義理から、弟分の加倉井をかばい、真相を打ち明けなかった。そんな時、犯人の顔を知るフグ新が加倉井に会い、すべてを知る。しかし、そのフグ新は加倉井の部下に斬られ、瀕死のところを片桐に救われる。加倉井は兄弟分の杯を返すと片桐に告げ、片桐も同意する。フグ新は竜子に事の真相を打ち明けると、皆に看取られながら息を引き取る。竜子は不死身の富士松と共に千成組に殴り込む。富士松はダイナマイトを投げつけ、竜子は加倉井と対峙する。そこに片桐が現われ、加勢する。片桐は加倉井と刺し違えて倒れる。瀕死の片桐は竜子に抱かれながら「竜子を人殺しにはしたくなかった」と言い残し、息を引き取った。後日、矢野組再興二代目襲名の口上を述べる竜子の姿があった。

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